「モデル結合型作物気象データベース」について
 本データベースには全国のアメダス地点(約850地点)における 1980−2008年(地域によっては1976年以降)の日別気象データを収納 しました。気温、風速、降水量などの基本要素に加えて、日射量、 湿度、蒸散要求量などの作物生産に重要な影響を与える要素を収納 したことが、本データベースの大きな特徴です。日射量や湿度など はアメダス地点では観測されていませんが、日照時間ならびに近隣 の気象官署のデータを活用することで推定されています。日照計の 種類による特性の違いなどを考慮することによって、長期に安定し た日射量推定値の提供が可能となりました。蒸散要求量に関しては、 熱収支モデルを用いて算定されています。全国の気象官署(約150地 点)についても、1961−2008年以降の日別気象データを収納しました。

 データベース上のメニュー画面もしくはGoogle Mapの地図上から、 任意のアメダス地点を選ぶことによって日別気象データを容易に取 り出すことができます。

 データベース本体に「物理環境モデル」と「生育モデル」が組み 込まれていて、水稲の稔実や登熟に影響を及ぼす水田水温(日別値) や出穂・開花期における穂温(時別値)、主要品種の生育状況など を推定することができます。これらのモデルは、実測データに基づ く詳細な検証がなされています。

 本データベースを既存の作物データベースや栽培試験データと組 み合わせることによって、近年の温暖化傾向や気象変動が水稲生産 に及ぼしている影響を解析・解明するためのデータセットが容易に 得られます。これらの解析を通して、水稲生産の将来予測や収量低 下のリスク評価、適応技術の開発などに大きく貢献します。
モデルの概要
モデル計算画面の説明
モデル入出力データの説明
作物気象データの説明
作物気象データ取得画面の説明

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